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レビュー 飲尿ふぇち編集部

『旅館、湯気の行方』レビュー:光と湯気の設計

和室と浴室を舞台にした長尺作品を、照明・音・所作の三つからレビューします。ネタバレは最小限にとどめています。

『旅館、湯気の行方』レビュー:光と湯気の設計 のアイキャッチ(プレースホルダー)

01 作品の概要

古い旅館の一室で過ごす二人の時間を、158分にわたって描く長尺作品です。大きな事件は起きず、会話と所作、そして湯気の動きで物語が進みます。

主演は東雲りん、白河まひろの二人。和服の着崩れ方や、障子越しの光の当たり方など、細部の設計が丁寧です。

02 照明と湯気

本作の見どころは、浴室の湯気を光で立たせている点です。逆光気味の構図が多く、湯気の輪郭がゆっくりと浮かび上がります。

和室のシーンでは、障子越しの拡散光が使われ、肌の質感よりも空気の柔らかさが強調されています。カットごとの色温度の差も小さく、長尺でも疲れにくい画面です。

03 音と所作

環境音は、畳の擦れる音、遠くの風鈴、湯の注がれる音など、生活音が中心。音楽の主張は控えめで、台詞の間がそのまま残ります。

和服の扱いにも丁寧さがあり、帯をほどく速度や、袖を押さえる仕草が、そのまま時間の流れを表現しています。

04 こんな方におすすめ

派手な展開よりも、空間と時間を味わいたい方に向いています。90分では物足りない方、和室や浴室の質感が好きな方には特に刺さる一本です。

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